素材について
オーガニックと地球環境
環境サイクルとは
私達人類が生存する地球上では自然本来の大気環境や水環境、土壌環境等があります。また光合成と呼ばれる、光を利用して二酸化炭素と水から炭水化物を作る生態系に於ける生物生産の基礎をなすもので光合成生物である植物が育ち、土壌を作って虫や動物をはぐくみそれらが死滅すると炭酸ガスや肥料成分に戻り、再び動植物が育つという環境サイクルによって成り立っています。 ところが農業生産の近代化に伴い農作物等を害する菌、線虫、だに、昆虫、ねずみその他の動植物又は病害虫の防除に用いられる殺菌剤、殺虫剤その他の薬剤及び農作物等の生理機能の増進又は抑制に用いられる成長促進剤、発芽抑制剤その他の薬剤、いわゆる総括して「農薬」とされるものを大量に使用するようになってきました。農薬の中には毒性の強いものがあり、使用中の事故や作物残留によるもの、土壌への残留性が高いものに対して過去には社会問題となった為、わが国では農薬の安全性を確保するために「農薬取締法」に基づいて製造、輸入から販売、使用に至るまで全ての過程で厳しく規制されるようになりました。
LINで扱う有機栽培のオーガニックコットンを理解して頂く為にも、今一度地球環境について考えてみて下さい。
地球の環境悪化
環境省が2007年に行った「環境にやさしいライフスタイル実態調査」では、環境悪化を実感する比率が、地域レベル34%、国レベル64%、地球レベル79%と、いずれにおいても過去に比べて上昇しており、環境悪化を肌で感じている事が伺われます。そこで問題なのは、地域レベルへと身近になるにつれて実感が薄れており、環境の悪化を身近な問題としては捉えていない事です。環境問題の中で最も関心の高かったのは「地球温暖化」の91%で、次に「オゾン層の破壊」63%、「大気汚染」59%、「世界的な森林の減少」58%、「海洋汚染」50%、「砂漠化」48%次いで、「廃棄物等の発生抑制(リデュース)や再利用(リユース)、再生利用(リサイクル)の推進」48%となっています。関心の低い項目は「悪臭」15%、「地盤沈下」22%、「騒音・振動」22%で、花粉や黄砂に対しては関心が低い。性別では男性より女性の方が環境問題に関心が高く、年齢別には60代、70代の殆どは環境問題に関心を示しており、職業別では専業主婦、無職が環境問題への関心が高く、会社役員、会社経営者は「地球温暖化」、「オゾン層の破壊」、「海洋の汚染」、「不法投棄など廃棄物の不適切な処理」について高い関心を寄せている。そして会社員、公務員は他の職業よりも環境問題への関心が低い傾向があるという結果が出ています。
オゾン層の破壊、森林減少、酸性雨、砂漠化について
オゾン層の破壊とは
地上から約10~50km上空で地球を包んでいるオゾン層は、我々人類や生物にとって有害な物質や紫外線が地上に降り注いでくるのを防いでいますが、近年では南極上空のオゾン層が破壊され、周囲より薄くなっている現象(オゾンホール)を言います。紫外線を多く浴びると、皮膚や目の病気になったり、植物の成長が悪くなったりします。
森林減少とは
世界の森林は、毎年日本の国土の約20%に当たる730万ヘクタールが減っています。温帯林には増えているところもありますが、特に熱帯林は急速に減っています。主に森林伐採や森林の火事は原因で、森林に蓄えられた炭素が放出され地球温暖化にも大きな影響を与えることになります。
酸性雨とは
酸性の度合いが強い雨の事で、酸性雨のもとになる汚染物質は、風などに運ばれて広い範囲に影響を及ぼします。1970年代にはヨーロッパの河川や湖、森林で広域的な被害がありました。日本や東アジアの国々では、酸性雨の状況や影響の調査を協力して行い、汚染物質を減らす努力をしています。
砂漠化とは
乾燥している地域の土地が劣化して砂漠化すること。風や水によって土壌が侵食されることによって、植物が育たなくなってしまいます。干ばつの発生や、家畜を放牧しすぎたり、燃料用木材を採り過ぎたりする事が原因と言われています。砂漠化が進むと水不足になり、農作物が採れなくなり途上国では貧困者が増え続けています。
大気汚染とは
大気汚染の原因となる物質は、我々が生活する中で工場や自動車などから出る煙や排気ガスが主な出所で、浮遊粒子状物質や二酸化炭素、二酸化硫黄、揮発性有機化合物、ダイオキシンなど光化学スモッグや酸性雨の原因になるなど人の健康にも害を及ぼしています。
平成20年版「地球環境白書」より
passNO,82772